春香の日常春香の日常の舞台「香春町」

現人神社/お申様 民話

1561年、香春岳の中腹にあった鬼ヶ城は、敵の放った火に包まれ落城寸前でした。城主の原田義種は城から逃げ出し、木の穴に隠れましたが、探索する敵がすぐ近まで迫ってきました。その時、数十匹のサルが突如現れ、穴をふさぎ追ってから身を隠してくれたのです。その後、義種は採銅所まで逃げますが、これまで。と自害します。

 

その後、香春一体では飢饉と天然痘で、多くの村人が亡くなりました。人々は、原田義種のたたりだと恐れ、お墓を手厚く弔いました。すると、ある夜、原田義種の霊が現れ「村人が困ったときにはサルを遣わそう」と告げて消えてしまいました。それを聞いた村人は、義種が生前信仰の深かった現人神社(あらひとじんじゃ)に義種の霊を祭ると、山から里にサルが降りてくる様になり、疫病がなくなり豊作が続いたといいます。